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あんしんHIV検査サーチ

HIV検査用語集

HIV検査についての難しい専門用語を、
より詳しく知りたいあなたのために解説しています。

2024/03/16更新

HIV検査の種類

第4世代HIV検査

HIVの抗原の一部(p24抗原)と抗体(HIV-1 HIV-2)が存在しているかが分かる検査。感染の機会があってから1ヶ月ぐらい経過していれば、一般的には抗体も検出できるようになります。

ただし、抗体ができるスピードは個人差があります。そのため、早い時期に検査を受けて陰性だった場合には、感染の機会から3か月経過してから、もう一度再検査を受けましょう。

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スクリーニング検査

スクリーニングは「ふるい分け」「絞り込み」などの意味。HIVのスクリーニング検査は感染している可能性のある人を、できるだけ見逃さないように拾いだすことを目的としています。スクリーニング検査で陽性という結果が出た場合、本当にHIVに感染している人と、本当は感染していない偽陽性の人が含まれます。そのため、スクリーニング検査で陽性の結果の場合(判定保留などと言われる)、必ず確認検査をする必要があります。一方、スクリーニング検査で陰性の結果が出た場合は、ウィンドウ・ピリオドを超えていれば、感染していないと判定できます。

即日検査(保健所やクリニックなどで行われているその日に結果が知らされる検査)や郵送検査はスクリーニング検査です。

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確認検査

スクリーニング検査でHIV陽性という結果が出た場合は、それだけでは本当に陽性かどうか確定ができないため、判定保留とされます。そのため、その結果が本当にHIVによるものかを確認するための検査がかならず必要となり、これを確認検査といいます。

保健所・検査所や病院・クリニックでは、新しいHIV確認検査法が用いられています。

スクリーニング検査が陽性の場合、HIV確認検査法とHIVの遺伝子が存在しているかどうかを確かめるNAT(核酸増幅法)検査を実施します。

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HIV抗体検査

抗体とは、抗原(ウイルスや細菌など)が体に侵入した後、その抗原に対して体の中で作られる特定のタンパク質です。HIVの抗体は、HIVが体の中に侵入したことによって作られるため、それを検査することでHIVに感染しているかどうかを調べることができます。

数種類のHIV抗体検査が、スクリーニング検査確認検査で実施されています。

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HIV抗原抗体検査

HIV抗体検査がHIVの抗体のみを捉えるのに対して、HIV抗原抗体検査は抗原と抗体の両方を同時に捉えることができる検査です。

抗原とは体内に侵入したウイルスや細菌などのことで、HIV抗原とはHIVそのものを指します。HIVが体に侵入してからHIVの抗体が作られるのに約1ヶ月かかりますが、HIV抗原抗体検査では抗体ができる前にもHIVの一部分であるHIV抗原(p24抗原)も検出するので、HIV抗体検査より1週間ほど早く感染を確認することができます。

いわゆる「第4世代HIV検査」と呼ばれるもので、スクリーニング検査として用いられます。

 

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NAT(核酸増幅法)、リアルタイムPCR(RT-PCR)法

NATとはNucleic acid Amplification Test(核酸増幅法)の略で、遺伝子の一部である核酸を抽出し増幅させ、増えた核酸を検出することで遺伝子の存在を確認する検査法。現在、HIV検査で用いられるNATの主流がリアルタイムPCR(Polymerase Chain Reaction)法です。

HIV感染の機会から9~11日経過すると血中にHIVが出現するため、11日目以降にNATによるHIV遺伝子の検出が可能で、ウィンドウ・ピリオドが短い検査です。ただし、いくつか注意が必要です。HIV-1のみを検出するため、HIV-2の感染を見逃してしまいます。また、NATだけではHIV感染の診断には不十分で、スクリーニング検査や確認検査が必要となります。さらに、感染からきわめて早い時期には、NATにおいても陰性との結果がでますので、ウインドウ・ピリオドがなくなるわけではありません。

この検査は高価で結果が出るまで時間がかかるので、HIVのスクリーニング検査として一般的には行われていません。しかし、一部の医療機関では検査を実施しているところがあり、HIVの感染不安によりNATを希望する場合には、自費で10,000円~20,000円程度かかります。ただし、HIVスクリーニング検査で陽性という結果が出て、NAT(RT-PCR法)を確認検査とする場合には、健康保険が適応されます。

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郵送検査

主に、民間の会社によって有料で提供されるHIVのスクリーニング検査。検査キットを使って自分で血液を採取してろ紙などにたらして郵送し、業者がHIV検査を行います。郵送検査の結果は自分だけがわかるように工夫されているのが基本となっており、郵送されるもの、インターネット上のマイページで見るものがあります(性風俗などの団体検査では、結果が雇用者にわかってしまうなどの問題も起きています)。

郵送検査には、自分の都合に合わせて検査ができること、他人に対面しないですむなどのメリットがあります。ただし、あくまでスクリーニング検査なので、陽性の場合は保健所や病院などに行って確認検査をする必要があります。

一方、郵送検査には注意するべきこともあります。

  • 検査の信頼度が会社によって大きく違っていて、信頼度が不十分な郵送検査もある。
  • 情報提供・相談・カウンセリングの機会が限られてしまう。
  • 確認検査をどこで受けたらいいかが具体的に案内されない場合がある。

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HIV自己検査キット

自分自身で検査をしてHIV陽性・陰性の結果の判定まで行うものです。検査キットを郵送して判定をしてもらう郵送検査とは異なるものです。現在、日本では国によって性能や安全性を審査して流通が認められたHIV自己検査キットはありません。

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だ液検査

口腔液を取ってHIV検査を行う検査キットが一部の国で利用されています。一般的に「だ液検査」と呼ばれていますが、実際には歯茎の外側をスワブ(綿棒)で擦り取った液を用いて行います。日本では国による承認を受けていません。

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特設検査施設(検査所)

全国のほとんどの保健所でHIV検査を行っていますが、その他にHIV検査などのために自治体が主体となって設置している特設検査施設(検査所)があります。保健所と同じように無料・匿名でHIV検査・相談を受けることができます。また、夜間や週末に受検できるところもあります。代表的なところとして、南新宿検査・相談室(東京都)、chotCAST(大阪府)、サークルさっぽろ(札幌)などがあります。

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臨時検査・イベント検査

保健所が通常行っている定例検査に対して、より受検しやすい曜日・時間・場所に行う臨時検査があります。また、NGO・NPOやエイズ対策の研究班等によって行われる検査会や、NLGR+検査会(名古屋市)のようにイベントとあわせて実施する検査もあります。

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検査の専門用語

感度

陽性(検査で陽性と判定されるべきもの)の人を、正しく陽性と判定できる確率を指します。感度が高いとは、「陽性の人を正しく陽性と判定する可能性が高い」、「陽性と判定されるべきなのに、検査の特性により陰性と判定(偽陰性)される可能性が低い」という意味です。そのため、HIVのスクリーニング検査では感度の高い検査が用いられます。

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特異度

陰性(検査で陰性と判定されるべきもの)の人を、正しく陰性と判定できる確率。特異度が高いとは、「陰性の人を正しく陰性と判定する可能性が高い」、「陰性と判定されるべきなのに、陽性と判定(偽陽性)される可能性が低い」という意味です。そのため、HIV確認検査では、特異度の高い検査が用いられます。

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偽陰性

本当は陽性なのに検査で陰性と判定をされてしまうこと。HIV検査では、偽陰性が出ないように感度の高いスクリーニング検査が行われているが、ウィンドウ・ピリオドがあるため、感度の高い検査法でも偽陰性となる場合が考えられます。そのため、ウィンドウ・ピリオドが過ぎてからの検査が推奨されています。もしも、検査を受けた時期がウィンドウ・ピリオドだった場合には、ウィンドウ・ピリオド後に再び検査を受けることが重要です。

 

 

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偽陽性

本当は陰性であるのに、検査の特性から陽性と判定されてしまうこと。HIVのスクリーニング検査では、感染の見落しをなくすため、感度の高い検査方法を用いています。そのため本当は陰性なのに検査では陽性と判定が出る場合(偽陽性)があります。こうした場合には、確認検査を行って本当の陽性か偽陽性かの最終判定を行います。特に、妊婦のHIVスクリーニング検査では偽陽性の割合が多いです。

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ウインドウ・ピリオド(ウインドウ期)

HIV感染していても、初期にHIV検査をすると検査結果が陰性となる期間があります。これをウインドウ・ピリオドといいます。

現在のHIV検査では、HIVに感染してから多くの場合は1ヶ月くらいで抗体が検出されるようになるため、検査結果が陽性となるのはそれ以降です。また、「第4世代HIV検査」というHIV抗原・抗体検査ではより早く抗原を検出できるため、検査結果が陽性となるのは従来のHIV抗体検査よりもさらに早いです。しかし個人差があるため、検査機関によっては安全を見てウインドウ・ピリオドを3ヶ月と設定しているところもあります。

感染する機会があってから早めに検査を受けて陰性と結果が出た場合には、まだウインドウ・ピリオドである可能性もあります。そのため、それぞれの検査機関に設定しているウインドウ・ピリオドの期間を確認し、ウインドウ・ピリオドのあとにもう一度検査を受けましょう。

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判定保留

HIVの検査は、何段階かの検査を行って陰性か陽性を判定します。その過程で陽性と確定できなかった場合を「判定保留」と呼びます。スクリーニング検査即日検査や郵送検査など)では、陰性の結果は確定できますが、陰性の結果が出なかった場合は本当の陽性かどうか判断がつかないため、判定保留などと伝えられ、その後確認検査を行うこととなります。

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HIV感染と治療

HIVの感染確率

HIVに感染が成立する確率は、リスクのある行為(予防をしないセックス、静脈注射針の共有、医療における針刺し事故など)や状況によって大きく異なっています。これは体内に侵入するウイルスの量が異なるためで、HIV陽性者の体液中のウイルスや侵入する体液の量と比例すると考えられます。そのため、感染確率はあくまで目安です。また、他の性感染症(梅毒、淋病、クラミジアなど)に感染していると、粘膜に炎症を起こしやすくなり、感染の確率はさらに増加します。

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HIVの感染経路

HIVのおもな感染経路は、セックスによる感染、注射器の共用などによる血液を介する感染、母子感染の3つです。接触感染、飛沫感染などはしませんので、日常生活で感染することはありません。HIVは、HIVに感染している人の精液・膣分泌液・血液・母乳などの体液に含まれますが、HIVのウイルス量によって感染しやすさは大きく異なります。血液中のウイルス量検出限界未満を持続している場合は、セックスによる感染はしませんし、母子感染もきわめて起こりにくいです。

もっとも多い感染経路はセックスによる感染です。HIVを含む精液・膣分泌液・血液などがセックスによって、相手の粘膜(性器、肛門、口など)や傷口から体内に入り、感染が起こります。現在、日本では男性どうしのセックスによる感染が多数を占めています。また、覚醒剤の静脈注射の回しうちなどによる感染も増えています。母子感染については、日本ではHIV陽性の母親が適切な治療を受けるなどによって感染を防ぐ方法が確立されています。

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初期症状

HIVの感染初期(急性期)に起こる症状のこと。急性期とは感染しておよそ2〜6週間の時期を指します。この時期に、半数以上の人にインフルエンザのような症状( 発熱、のどの痛み、頭痛、筋肉痛、下痢、リンパ節がはれる、皮膚にあわい発疹(ほっしん))が出ますが、これらの症状は自然に治まってしまいます。まったく症状が出ない人もいますし、HIV感染に特有な症状ではないため風邪だと思って放置することも少なくありませんので、HIV検査をしなければHIVの初期症状かどうかはわかりません。

この時期は、ウイルスの量が急増しているため、コンドームを使用するなどの予防をしないでセックスをした場合、感染が起こる可能性がより高まるとされています。

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CD4

リンパ球の一種で、細胞の表面にCD4という構造があるものをCD4リンパ球と呼び、これらは免疫の司令塔の役割を担っています。HIVは、この細胞に入り込み破壊し徐々に減らしていきます。CD4リンパ球の数を定期的に検査することで、HIV感染症の経過とその時点での免疫力を知ることができます。常に一定ではなく誤差があるため、数回のデータを見て傾向を判断する必要があります。特に、治療でウイルス量がコントロールできている場合、±30%程度の変動に一喜一憂する必要はないと言われています。健康な人では血液1µl(1000分の1cc)あたり700~1500個のCD4リンパ球が存在します。

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ウイルス量

一般的には血液中のHIVのウイルスの量を指し、HIV-RNA量ともいう。血液中のHIV遺伝子を探し出すことで、どれくらいHIVが増殖しているかを知ることができます。病気の進行の速度を表していると考えられ、抗HIV薬が効いているのかなどを検討するためにも重要な数値です。

ウイルス量が多いほど病気は進行しやすく感染力が高く、少ないほど病気は進行しにくく感染力が低いと言われています。抗HIV薬を飲むことでウイルス量を減らすことができるため、HIVに感染する以前と同じように生活をすることができます。また、検出限界未満のウイルス量を維持できていれば、セックスでも他の人に感染しないことが科学的に証明されています(U=U)。

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抗HIV薬

HIVが体内で増殖するのを抑える薬。大きく分けると、核酸系逆転写酵素阻害剤、非核酸系逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、侵入阻害剤(CCR5阻害薬)の5つのグループがあります。HIV陽性者の治療では、作用の異なる抗HIV薬を組み合わせて内服します。核酸系逆転写酵素阻害剤から2種類とその他のグループから1種類を組み合わせた合剤を飲むのが主流で、1日1錠の人が多いです。PrEP(曝露前予防服薬)では核酸系逆転写酵素阻害剤2種の合剤を飲みます。

早期治療によるメリットが大きく、副作用が少ない薬が開発されたことなどにより、最新のガイドラインはHIV陽性とわかったすべての人がただちに服薬を開始することを推奨しています。服薬をすることで、多くの人が6か月程度でウイルス量検出限界未満まで減らすことができます。しかし、ウイルスを体内から完全に排除することができるわけではないため、現時点では生涯に渡り正しく服薬を続けることが重要です。

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検出限界未満

現在行われているHIVのウイルス量の検査方法で、測定できるもっとも少ないウイルス量を下回ったという意味。体内からウイルスがいなくなったわけではいため、もしも服薬を中止すると再びウイルス量は増加します。検出限界未満が持続できていれば、セックスで相手に感染させるリスクがゼロになることが科学的に証明されています(U=U)。

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薬剤耐性

体内でウイルスが突然変異を起こし、抗HIV薬が十分に効かなくなること。抗HIV薬を正しく飲み続けていれば薬剤耐性ができる心配はいりませんが、薬の飲み方が間違っていたり、飲んだり飲まなかったりを繰り返したりすることなどによって起きることが多いです。他の薬の飲み合わせによって起きることもあるので注意が必要です。

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新常識

PrEP

Pre-exposure prophyraxis(曝露前予防内服)の略。HIVに感染していない人が抗HIV薬を予防的に服用することで、セックスでのHIV感染を防ぐ方法。PrEPの開始前と開始後に、HIVやその他の性感染症の感染の有無、腎機能などの検査を継続して受ける必要があります。PrEPに用いられる抗HIV薬は、日本での「予防のための使用」という適応外使用の承認に向けて手続きが進められていますが、未だ国による承認はされていません(2023年1月末現在)。

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PEP

Post exposure prophylaxis(曝露後予防内服)の略。 ウイルスが体の中に入ってきた後(曝露後)、感染が成立する前に抗HIV薬を使用して感染を予防する方法です。できるだけ早く第1回目の内服(遅くとも72時間以内)をし、4週間は服用を継続する必要があります。

医療従事者のHIV陽性者からの針刺し事故については、日本では2010年から労災保険が適用されていますが、セックスの場合の費用は自己負担となっています。HIVの治療を行う場合と同様の3成分の薬を飲むので、PrEPとは異なります。

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U=U

U=Uは、Undetectable(検出限界未満)=Untransmittable(HIV感染しない)の略。効果的なHIV治療を受けて、血液中のウイルス量検出限界未満に継続的に抑えられているHIV陽性者からは、セックスによってHIVが感染することはないということを表すメッセージです。U=Uは、数多くの研究成果に基づいて、科学的に裏付けられたメッセージであり、世界中の保健医療関連の専門家や専門機関にも支持されています。

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セックス・セクシュアリティ

セーファーセックス

直訳すると「より安全なセックス」の意味。主に、HIVやその他の性感染症に感染したり感染させたりする可能性をできるだけ少なくしたセックスのことを指します。HIVに関しては、コンドームを使用する、より感染しやすい行為を避けるなどの他に、最近ではPrEPという方法もあります。しかし、梅毒など他の性感染症については、感染のメカニズムが異なるので、より安全にセックスする方法もそれぞれ異なります。

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セクシュアルヘルス(性の健康)

セクシュアルヘルスは、性に関わるさまざまな意味での健康を包括したもので、基本的人権、性感染症、望まない妊娠、性暴力、ジェンダーの平等など、さまざま課題を含むものとされています。2005年に性の健康世界学会(WAS)は「性の健康と性の権利宣言」を採択し、セクシュアルヘルスとは、身体的、精神的そして社会的に良好な状態のことであり、単に病気や機能異常や欠点が無いことではないと定義しています。

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性感染症

セックスによって感染する病気を指し、STI、STD、性病とも呼ばれます。症状、感染経路、予防方法、治療方法などさまざまです。症状が出ないもの、何度も感染するもの、ワクチンで予防できるものなどもあります。主なものとして、HIV、梅毒、淋病、クラミジア、ウイルス性肝炎(A型、B型、C型)、赤痢アメーバ症、性器ヘルペス(単純ヘルペス)、尖圭コンジローマ、疥癬、毛じらみ症などがあります。

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MSM

Men who have sex with menの略で、「男性とセックスをする男性」を指す言葉。特にHIV対策や医学で使われる用語。性行為の対象にフォーカスし、必ずしもゲイ・バイセクシュアル男性と自認していない人も含んでいます。

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福祉・制度・法律

HIV治療の支援制度

HIVの治療費は高額ですが、自己負担額を軽減する福祉・社会制度があり、多くのHIV陽性者が活用しています。まずは通院している病院のソーシャルワーカーなど専門家に相談してみましょう。HIV陽性者のための支援をしているNGO・NPOも専門の相談員による電話相談を行っているところがあります。また、制度によって区市町村の窓口や手続方法が異なるため、居住地の区市町村の障害福祉担当課に問い合わせるとよいでしょう。

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NGO・NPO

本来の意味は広く、NGOはnon-governmental organizationの略で非政府組織、NPOはnon-profit organizationの略で非営利団体を指します。ボランティアの人たちが活動を支えていることが多いため、日本ではボランティア団体と呼ばれることも多い。HIVに関しては、HIV陽性者の当事者団体、HIV陽性者の相談・支援をする団体、ゲイ・バイセクシュアル向けのHIV予防啓発やセクシュアルヘルスの促進を行っている団体などがNGO・NPOとして行政や医療機関とも連携しながら活動を行っています。

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ピア・サポート

ピアとは同等の立場、仲間などの意味。病気、障がい、境遇、世代、セクシュアリティなどにおいて、共通する課題に直面する当事者どうしがお互いに支えあうことを、ピア・サポートなどと呼ぶことが多いです。HIV陽性者どうしが集まって、お互いの経験や気持ちを共有するミーティング、交流会、学習会などのピア・サポートが各地で行われています。

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感染症法

正式には「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」といます。1999年に伝染病予防法、性病予防法、エイズ予防法の3つの「予防法」を廃止・統合して施行され、予防のための施策と患者の人権への配慮を調和させた感染症対策が求められとされています。感染症法では、多くの感染症を感染力や感染した場合の重篤度などに基づき、危険性の高い順に一類から五類と指定感染症、新感染症に分類されており、入院措置や就業制限などが類別によって規定されています。HIV感染症(後天性免疫不全症候群)は五類です。

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免疫機能障害

正式には「ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害」。HIV感染により免疫機能が低下する障害で、身体障害者福祉法に定められた身体障害の一つです。心臓や呼吸器などと同様、内部障害に分類されています。症状などにより1級から4級まであり、認定された等級に応じた福祉制度を利用することができます。ただし、感染初期には認定条件を満たさないことがあり、すぐに制度利用ができない場合もあります。

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エイズ発生動向調査

感染症法に基づいて、厚生労働省が行うHIV/エイズの動向調査のこと。まず、HIV陽性と診断した医師が最寄りの保健所長に、国籍、性別、年齢、HIV感染者・AIDS患者の別、居住地(都道府県・政令市)、感染の原因(同性・異性間の性的接触、静脈注射など)などを報告(氏名や住所などの個人情報は含まれない)します。保健所は都道府県等および中央感染症疫学センター(国立感染症研究所感染症疫学センター内)に報告します。厚生労働省エイズ動向委員会がデータを分析して、エイズ対策に役立てるように毎年発表されます。

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あんしんHIV検査サーチ
illustration そーちゃん

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現在、新型コロナウイルス感染症への対応のため、保健所等でのHIV検査が中止されている場合があります。

HIV検査を受けられる際には、自治体ホームページ等で事前に実施状況をご確認くださいますようお願いいたします。