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HERO Award 受賞のご報告

March 17, 2026 Modified: 2026.03.17

コミュニティの皆さん、こんにちは。「HIVマップ」を運用するNPO法人aktaの柴田です。

今日は、私たちakta、そして日本のコミュニティにとって非常に大きな節目となるニュースをお伝えします。2025年11月、タイ・バンコクで開催されたアジア・太平洋地域の権威あるアワード「APCOM 第9回 HEROアワード 2025(APCOM 9th HERO Awards 2025)」において、aktaが「Community Organisation Hero(コミュニティ組織賞)」を受賞しました。

この受賞は、新宿二丁目のcommunity center aktaを拠点とした地に足のついた活動、そしてこの「POST」も通じたHIVマップによる情報発信など、まさにコミュニティの皆さんにご協力いただきながら実践してきたことが、日本国内のみならずアジア・太平洋全域の先駆的なモデルとして高く評価された結果です。今回は、この「HEROアワード」がいかに特別な賞であるのか、その背景と私たちが評価された理由を皆さんに共有させてください。

「HEROアワード」とは? その社会的意義

「HEROアワード」は、バンコクに拠点を置く国際NGO「APCOM」が主催する、アジア・太平洋地域でHIV対策やLGBTQI+の権利擁護に顕著な貢献をした個人や団体を称える賞です。「HERO」という名前には、Honouring Enthusiastic Response to HIV Outreach(HIVアウトリーチへの熱意ある対応を称える)という意味が込められています。

このアワードは単なる話題作りのための表彰ではありません(もちろん話題作りのための賞や表彰も必要なものだと思いますが)。法整備が遅れている国や、厳しい差別が残る地域も多いアジア・太平洋において、最前線で「命」と「尊厳」を守る人々を可視化し、国境を越えたつながりを証明する、まさに「対策の道しるべ」のような役割を果たしています。

歴史を彩る、社会的インパクトの強い受賞者たち

これまで「HEROアワード」を受賞してきた顔ぶれを見ると、その重みがよくわかります。受賞者たちは、それぞれの国で歴史を動かしてきたフロントランナーばかりです。

インドの歴史を変えた法律家たち

2019年には、インドで同性愛を犯罪としていた旧刑法377条の撤廃を勝ち取った弁護士、メナカ・グルスワミー氏とアルンダティ・カトジュ氏が「Social Justice Hero」を受賞しました。一国の法的基盤を覆した彼女たちの功績は、世界中のコミュニティを勇気づけました。

各国の政治リーダー

2022年には、フィリピンのリサ・ホンティベロス上院議員が最高賞(Shivananda Khan Award)を受賞しています。彼女は保健・女性・LGBTQI+の権利擁護を掲げるフィリピンの女性議員として知られています。また、2025年にはタイのトゥニャワット・カモンウォンワット議員も、タイの法制度におけるジェンダー平等への貢献により受賞しています。

学術・研究の重鎮

2025年の最高賞は、インドネシアのLGBTQI+運動のパイオニアであり学者のデデ・オエトモ博士に贈られました。彼は数十年にわたり、学術とアクティビズムを繋ぎ、地域のネットワークを築き上げてきた人物です。

このように、国家レベルの政策や法律に影響を与える「変革者」たちが名を連ねる中で、今回aktaが選ばれたことは、日本の草の根の活動が国際的なインパクトを持つものとして認められたことを意味しています。

なぜ今、aktaが評価されたのか

今回、aktaが「Community Organisation Hero」として評価された根拠は、大きく分けて4つあります。

「オンライン(HIVマップ)」と「オフライン(community center akta)」のハイブリッド戦略

コロナ禍を経て、多くの団体が活動の縮小を余儀なくされる中、私たちはこの「HIVマップ」を通じて「U=U(検出限界以下=感染しない)」などの最新情報を届け続けました。同時に、新宿二丁目のコミュニティセンターでの対面のアウトリーチも決して止めませんでした。デジタルとリアル、両方のレイヤーでコミュニティに寄り添い続ける姿勢が「揺るぎない安心感」として評価されました。

20年以上にわたる「継続」という信頼と実績

aktaの活動は20年を超えます。流行の移り変わりが激しい中で、特定の価値観にブレることなく、一貫して「コミュニティの健康」という確固たる軸を持ち続けてきたこと。この「継続性」こそが、アジア・太平洋地域における組織運営のモデルケースとされました。

当事者主体の「コミュニティ・ベースド」なアプローチ

専門家が一方的に教えるのではなく、コミュニティの中に飛び込み、当事者と共に考え、共に情報を発信する。この徹底したボトムアップの姿勢が、APCOMが掲げる「コミュニティによる、コミュニティのための活動」を最も体現していると認められました。

偏見の払拭

科学的根拠に基づき、HIVと共に生きる人への偏見を払拭する。たとえば「U=U」の普及において、日本のMSMコミュニティに向けた精度の高い情報提供をリードしてきた点も大きな加点要素となりました。

これからも、皆さんと共に

今回の受賞は、長年にわたるコミュニティの皆さんといっしょに街でもオンラインでも取り組んできたこと、情報共有をしてきたことの蓄積が、国際的な評価基準に照らして意義深いものであると認められた結果だと考えています。

アジア・太平洋地域という広い枠組みの中で評価をいただいたことは、私たちが提供してきた情報の質と活動の継続性が、コミュニティにおいて一定のインフラとしての役割を果たせていることを再認識する機会となりました。

今後も新宿二丁目のcommunity center akta、およびこの「HIVマップ」での発信を通じ、客観的で信頼性の高い情報を維持していくことが私たちの責務であると考えています。

皆さんの日常のなかで、必要な時にいつでも活用できるリソースであり続けられるよう、今後も粛々と、かつ着実に活動を続けてまいります。

引き続き、aktaおよび「HIVマップ」をよろしくお願いいたします。

NPO akta 柴田惠

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