エピソードは、個人の体験談です。
STD体験談 クラミジア編①
September 19, 2023 Modified: 2024.09.24
- 書いたひと
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クララが立った さん
40代・男性
深夜にナイモンの即ヤリ用のアカウントにメッセージ。開いてみると1ヶ月ぐらい前にセックスした歳下の子から。
「クラミジアに感染していたかもしれないのでお知らせします。すみません。」との旨。
ちょっとびっくりしつつ、特に何の自覚症状もない状態。
とりあえずは、
- 連絡しづらいことを教えてくれてありがとう。
- こっちからの感染かもしれないし謝ることじゃないよ
- 今の所自分は何の自覚症状もないけど検査してみる
旨を返信。
スマホでいろいろ調べた結果、すぐに検査してわかるみたいだし、新宿駅から近くのクリニックで検査できるとのことだった。幸か不幸か次の日はそれほど予定もない休日。ちょっとダラダラしてから、夕方くらいに重い腰を上げて行ってみることに。
到着するとそこは、結構若い人らの来院が多いみたいで、メイド服ふうの女性がいたり、今っぽい明るいところだった。まるでコンタクトレンズ作るときの眼科みたいな気軽な雰囲気。自分が若いときに行ったことのある「性病クリニック」は、渋谷警察向かいの、今は再開発されちゃったであろう昭和な雑居ビルで、もっとジメッと暗い雰囲気だった記憶があるので時代はかわったなと(苦笑)。
受付で簡単な問診。クラミジアの検査は、男性はうがい液と尿検査で病原体を採取しチェックするものがそのクリニックのおすすめセットとのこと。うーん。。。ウケの自分としてはその「(ノンケ)男性向けのセット」で大丈夫すか?など、もうちょっと色々聞きたいこともあったけど、けっこう人の出入りがある受付で、自分としては説明してくれたのが女性だってこともあって堂々とゲイです!ウケです!とも言いづらく、検査前に医師の問診があればそこで相談かなーと思いながら、おすすめされたそのセットをいったんオーダー。値段に関しては5千円ぐらいだったかな?保険診療じゃないならこんなもんだよなー。
待合室はあんまり人に見られずに済むように配慮されてるようで、一人が座れるスペースだけのすんごい狭い漫画喫茶の個室がいっぱいあるようなイメージ。肩ぐらいまでの簡単な壁で、細かく仕切られていた。しばらく待っていると名前ではなく受付番号で呼ばれる。親や同僚がその場にいるわけでもないが、まあ知り合いが万が一いてもバツが悪いし、名前を大声で呼ばれないのは見えづらい配慮と合わせてちょっと安心。
呼ばれて行ってみると、お医者さんのいる問診室には通されず、検査室(というか尿と うがい液を取るための広めのお手洗い?)の前の狭い通路で、特に医師ではなさそうな男性に「はいこちらのセットです」とオーダーしたセットを手渡され、それぞれの採取方法についてのみ説明される。もう問診などはなく、即検体採取。採取前に相談などができる様子ではなかったのでちょっと面食らう。
困った。もちろんすごい詳しいわけでもないけど、なんとなく家で見たネットの情報や受付の話を参考にする限りでは、クラミジアの検査は尿検査ならはちんこ周辺ルートに病原体がついていないかをチェックするだけのもの?、うがい液は喉に病原体がついていないかチェックするもの?で、全身くまなく血液にいるウイルスを検査するようなものではないっぽい。
と、するとウケおじさんで相手のちんこと接触する自分のアナル周辺に病原体が感染した/自分のアナル周辺から感染させる可能性が高い自分としては、それだけじゃケツにクラミジアさんがいらっしゃる場合わからないんじゃないか?これだけだとやべーんじゃないかな、と思っていたわけです。
どうしよう。いきなりウケです!ゲイです!ってこの通路でいうの恥ずかしいというためらい。いやでも、意味のない検査じゃしゃーないだろうと、男性にカミングアウト。「えーと自分ゲイでー、受け身が多いんですがー、その場合でも同じ検査で大丈夫ですか?」と聞いてみました。
結果、すこし追加で確認してもらった上で検査器具はうがい液と、アナル周辺を擦り取る長めの綿棒みたいなものにあっさりと変更。(よく考えたら担当男性も仕事だし別にどうということもないよね) セット割引的なものがなくなったのかお代は少しだけ上がるとのこと。でも、そうなの。この綿棒でのアナル検査がね、多分必要だよね。
案内されたお手洗いで、男性に指示された通り綿棒を自分のアナルにすこし挿入し、周辺の組織?を擦り取る。別に太さは普通の綿棒で、長さが長いだけなので乾燥した綿棒がちょっと引っかかったけど特に痛いとかっていうこともなく、指示どおりにあっさり完了。体が固めの自分ですが、まあ長い綿棒だったので挿入等の動作にはあんまり困難はなかったです。うがいでの採取も済ませ、お会計。
結果はオンラインで数日後に確認できるとのこと。便利な世の中だなーと確認方法の名刺ぐらいの大きさの紙をもらってその日は帰宅しました。
数日後、やってきた検査結果発表日。仕事の合間にスマホから結果サイトにアクセス。結果は・・・・
喉:異変なし
アナル:クラミジア陽性
やっぱり!やっぱりアナル検査しないとだめだったじゃん!これ尿検査じゃ分からなかったんじゃないか?と冷や汗。
そして全く自覚症状なかったので検査でわかって、それもよかった。
なんか調べた結果自覚症状は全然ない人もいるので注意。みたいなことも書いてあった。
ちなみに、治療としては速攻で都合がつく時間にやってる病院を探して検査結果を話して普通に問診してもらって薬を処方してもらいました。自分は自分で都合付きやすいところを探しちゃったけど、一応検査してくれたクリニックからも病院を紹介してもらえるみたい。治療自体はアナルに別に塗り薬!とかではなく抗生物質を飲むだけだったのであっさり終了。
とにかく恥ずかしがらずに、検査のときにアナルをぬぐい取る綿棒をもらってよかった。と強く思いました。
HIVマップ制作チームからのコメント
クラミジアや淋病は、病原体がいる粘膜や体液に粘膜が触れることで感染が成立します。病原体は、性器だけでなく喉や直腸の粘膜にもいる可能性があり、コンドームなしのアナルセックス、フェラチオ、性器のこすり合わせ(かぶと合わせ)、眼の周囲への射精など、幅広い行為にリスクがあります。
淋病は比較的はっきりとした症状が出ることが多いですが、クラミジアは症状がまったくないことが多いので要注意です。自分が感染していることに気づかないまま、セックスの相手に感染させしまうことがあるからです。また、クラミジアや淋病の症状は、病原体のいる部位によって異なるので、アナルセックスのタチ/ウケ、フェラチオをする側/される側によって主な症状が異なります。
尿検査、うがい液の検査、のどの粘膜/直腸の粘膜を綿棒でこすり取る検査などがありますが、性行為によって優先順位の高い検査が異なります。そのため、ゲイバイセクシュアル男性の性行為に理解のある医療機関を探すことも大事です。また、アナルセックスのウケ、フェラチオをする側の男性は、有効な検査をしてもらうために、思い当たるリスクを自分から医療者に伝える必要があるかもしれません。
検査が陽性だった場合、抗生剤によって治療することができます。治療によって完治しますが、抗体ができないため何度でも感染する可能性があります。セックスの相手から再び感染する「ピンポン感染」を防ぐためにも、セックスの相手にも検査・治療をしてもらうことが重要です。