【オトナの工場見学】「ペペローション」製造会社に聞く! ローションに関する素朴なギモン(3/3)
March 30, 2025 Modified: 2025.03.29

3回にわたってお届けしております、「オトナの工場見学」の「ペペローション」編。今回がラストとなります。これまで、「ペペローション」を製造する中島化学産業株式会社から、ローションに関する基礎知識、製造過程の様子を伺いました。


最後は、ローションにまつわるさまざまなギモンに、中島化学産業特品部の柳井様よりお答えいただきます。

質問するのは、引き続きライター兼下ネタラジオ配信者の小田九千です。ローション大好き男性の「ローション博士」も最後までよろしくお願いしますね!

ローション博士
あ、うん、そじゃね……。
(なんかテンション低くない?)
ローションを爆速で洗い落とすテクを紹介
ローションに水を加えて使用するのはアリ?
柳井:我々は物を売っているだけなので、それをどう楽しんでいただけるかは消費者の方の考えを尊重します。より滑らかにしたいのであれば水で薄めていただいてもいいですし、ローションが冷たいのであればお湯で割ることで使いやすくなります。
ただ、1つだけ注意点があります。それは、ボトルのローションを薄めた場合は使い切ってほしいです。
小田:なぜですか?
柳井:ローションってポリアクリル酸ナトリウムと水(※第1回参照)でできているとお伝えしましたが、菌が繁殖しないように防腐剤なども入っているんですね。なので、水で薄めると防腐剤自体も薄まってしまうんですよ。水で薄めて翌日に使う場合、菌が繁殖する可能性があります。薄めてもいいんですけど、その日のうちに使い切ってほしいです。
小田:なるほど。では、洗面器などにローションを入れて水を加えて使う、みたいなやり方がよさそうですね。使用レビューを拝見したのですが、「水で5倍に薄めて長く愛用している」と書かれていたんですが、この使い方ってあまり推奨できないですよね……?
柳井:そうですね。もし手で混ぜていた場合、手の菌も入ることになりますので……! 5倍薄めるのはいいんですけど、その日のうちに使い切ってもらえると!
小田:(5倍薄めたとんでもない量のローションを当日中に使うの想像するだけでハード)そうですよね!
風俗店などで見る、洗面器にローションを入れてドゥルドゥルされる行為って、どんな意味があるんですか?
柳井:いわゆる“希釈”をしています。もう1つはローションを「温める」という目的があります。風俗店さんの場合はコストの問題があるので、濃いものを薄めたほうが経済的なんですよね。そういう意味もあってやるのと……。
小田:他にも?
柳井:(ドゥルドゥルの)混ぜ方って、歴史を経て最終的にこの形になったと思うんですよ。このやり方が一番効率がいい。理にかなっているんですよね。あとは、ほら、魅せ方ですよね。
小田:?
柳井:エロい感じがありますよね。
小田:ああ~!!
柳井:エンターテインメント的な要素と効率的な面が組み合わさった混ぜ方なんですよね。
ローションの洗い残しがあった場合、肌荒れのリスクはありますか?
柳井:基本的には“ない”です。ローションに含まれているポリアクリル酸ナトリウムは食品や化粧品にも含まれているので、成分自体に問題はないです。
質問:肌についたローションを綺麗に取るコツは?
柳井:実は、お湯のほうが取れやすいわけではないです。水と同じです。
小田:そうなんですか!?
柳井:お湯のほうが冷たくないぶん、長時間流しやすいので、よく落ちると感じるんじゃないでしょうか。実際、ある会社さんとボディウォッシュという形でローション落としの製品を作ったことはあります。ですが、廃番になりました。
小田:えっ。なぜですか?
柳井:恐らくですが、買っても(使い道は)落とすだけじゃないですか。ならお湯で頑張って落とせばいいやってなりますよね(笑)。
小田:真実に気付いてしまったんだ……! マットプレイとか、ローションをたくさん使うお店だったらメンテがやりそうですけどね。
柳井:便利だと思います。あと、ローションって塩を使えば落としやすいですよ。
小田:塩を塗りこむんですか?
柳井:塩を水で溶かした食塩水ですね。食塩の成分の一部であるナトリウムイオンは金属イオンなんですけども、金属イオンとローションに使われるポリアクリル酸ナトリウムって相性が悪いんですよ。粘度低下を起こすので落ちやすくなります。塩の他にミョウバンもよく落ちますよ。あとは、海が近くなるなら海水に浸かるのもアリですよ!
小田:なるほど化学~! 占い師の開運テクニックで「塩風呂に入るといい」って聞いたことがあるんですよ。つまり、ローションプレイしたあとに塩風呂に入ったら……?
柳井:ローションも落ちるし、運気も上がる……?

ローション博士
……ぷはーっ! 塩風呂で体中のベトベトが一気に取れたぞい! ずっとヌメりが気になって仕方なかったんじゃ! アイデンティティを保つためにローションを塗り続けるのはオススメせんぞ! 適度に使って楽しもう。博士との約束じゃ!(これでローション博士の出番は終了です。お疲れ様でした)
ペペローションは「化粧品」カテゴリ
ほぼ水でできたローションは人体にとって無害?
柳井:そうですね。水もポリアクリル酸ナトリウムも無害です。ポリアクリル酸ナトリウムが無害であることを証明した実験データがありますので、ご安心いただけばと思います。
ローションのその他の活用法が知りたいです。
小田:商品レビューのなかに「髭剃り」で使っている方がいたんですけど、アリですか?
柳井:OKです! 髭剃りで使うなら水で薄めたほうがやりやすいと思います。実際にそういった問い合わせは来ますし、T字カミソリを使う方はぜひ活用していただければと思います。
ローションの使用期限ってありますか?
柳井:実は、ローションって化粧品の基準で製造されているものなんですね。当社では雑品のカテゴリで販売しているローションもあるのですが、どちらも同じ化粧品基準にしています。化粧品の使用期限は基本的に3年なので、ペペローションも3年です。
小田:合わせているんですね。
柳井:ただ、その使用期限は未開封で適切な条件での保管の場合です。直射日光が当たったり、保管温度が高い場合は例外になります。
小田:開封後の使用期限はどうなりますか?
柳井:オフィシャルでは「わかりません」と答えます。なぜかと言うと、開封したあとの状況がわからないし、どういう使い方をしているか不明なのでお答えできないんですね。なるべく早くお使いください、になりますね。
小田:ホコリなどが入る場合もありますもんね。
基本のペペローションの容量が360mlなのはなぜですか?
柳井:ペペローションってドレッシングのような容器でワンタッチで開けられますよね。最初、商品化に向けてたまたまドレッシングの既製の容器を使ったんですよ。たまに飲食店でもペペのボトルのようなドレッシングって見かけませんか?
小田:よく見ます!
柳井:そこから出発をしたんですけど、それの容量がたまたま360mlだったんですね。
小田:そうだったんですね! じゃあ、別にオナニー1週間分みたいな基準ではないんですね?
柳井:そういう計算があって360mlに到達したわけではありません(笑)。たまたま使った容器が360mlだっただけですね。既製品なので、他社さんも同じような容器を採用するようになったんですね。なので自社のオリジナル容器を作ることを決めて、その際に使い勝手を考えワンタッチで開けられる蓋になりました。
ペペローション開発の原点とは?
ペペローションが生まれた経緯を教えてください。
柳井:現会長の中島俊之が中島化学に入り、医者の兄から「リハビリ用の水溶性マッサージ剤を作ってくれ」と頼まれたんですね。そこで水溶性ゼリー(Rub massage jelly ※Rub=こする)を作ったのですが、それを中島俊之が風俗店に持ち寄って試してもらったところ、いい反響をいただいたんですね。それが誕生のきっかけです。
小田:そこからペペローションの商品開発がスタートしたんですか?
柳井:そうですね。メーカーとしてやりたいということで、自社でローションを作ることになります。昔は本社の裏で作っていたらしいです。のちに自社で工場を建ててローションを作るんですけども、特許が切れたタイミングでいろんな他社が参入したんですね。で、他社と差別化をはかろうとするわけです。中島俊之がエロいんですけど真面目なので、何かしら品質を高めたものにしたいと考えたんですね。
小田:はい(エロいけど真面目)。
柳井:だったら化粧品の許可を取ろうということで、そのときに初めて化粧水を意味する言葉である「ローション」を使いだした、というのが最初です。本来は化粧品の許可を取らずにローションとは言えなかったんですよ。ただ、今はローションという言葉が独り歩きして一般名称になっています(笑)。
小田:本来だと、化粧品基準をクリアしたものだけがローションを名乗ることができるんですね。
ペペローションのペペってどういう意味ですか?
柳井:アルファベットで書くと「PEPEE」でして、古いフランスの言葉で「かわいらしい」といった意味があるようです。
小田:ちなみに、ペペってカタカナですよね?
柳井:正解は、「カタカナでも平仮名でもない」です。
小田:ペペってロゴマークだったんですね……!
今後、ペペローションで新たな挑戦はありますか?
柳井:ローションを“泡”にしたいと考えています。泡だと使う量も少ないですし、垂れにくいもので開発しています。ただ、泡なので弾けるとローションの厚みはないですし、物足りない課題があります。泡なので使用感はソフトだし見た目もいいんですけど、まだ100点の出来には至っていないです。
小田:泡の特性を活かして「ローションバブルガン」を風俗店の方が撃ちまくる、っていうのいいと思います!
柳井:メモしておきます(笑)。
たくさんの質問に答えていただきましたが、そろそろお別れの時間です。みなさんの暮らしに欠かせないローションが、より身近な存在になってもらえたら嬉しいです。長時間にわたって取材にお付き合いいただき、本当にありがとうございました!

小田:最後に、どうしても聞きたいことがあるので質問させてください。
柳井:何ですか?
小田:名古屋でこれだけは外せないってグルメを教えてください。

柳井:名古屋駅新幹線ホームの「立ち食いきしめん」です。

うっま~~~~!!! 見学は以上です。
NPO法人akta と 中島化学産業株式会社 取引関係に関して
HIV Map POSTを運営する NPO法人akta では、会長を務める第38回日本エイズ学会学術集会・総会において、今回の記事で紹介している中島化学産業株式会社よりバナー広告の出稿をいただいております。
本記事は、上記広告出稿とは別の企画としてスタートし、広告出稿の前に執筆されたものです。しかしながら、記事をご覧いただく際には、上記の取引関係があることをご承知おきください。