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【オトナの工場見学】性生活を潤す“ローション”を1日2万本以上製造!? 大人気商品「ペペローション」の製造現場に密着(2/3)

March 15, 2025 Modified: 2025.03.11

大人気商品「ペペローション」の工場を見学する「オトナの工場見学」。今回は第2回をお送りします。

前回の記事では「ローションが何でできているか」や「どうやって商品を開発しているか」がわかります。未読の方はぜひご覧ください。

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【オトナの工場見学】開発はブレンドコーヒーに近い!? 「ペペローション」製造会社に聞く、ローションができるまで(1/3)
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今回は、ペペローションが作られている工場に実際に赴き、みなさんが手に取る製品ができるまでをレポートします。お届けするのは、引き続きライター兼下ネタラジオ配信者の小田九千と、基本ヌメっている一般人の「ローション博士」です。

ローション博士

人生もローションのように滑らかであってほしいのう

ローションを製造する工場を見学!

中島化学産業株式会社の本社から車を走らせること15分。「ペペ」の製造がおこなわれている「長須賀工場」に到着しました。

今回、工場見学を案内してくださるのは、特品部の部長を務める柳井さんです。よろしくお願いします!

工場では異物混入を防ぐため、防塵服、ヘアキャップ、マスクを着用。入口前ではホコリを取り除くコロコロを使い、しっかり手洗いをしていざ内部へ。2階にある「秤量室(ひょうりょうしつ)」では指示書に従ってローションの原料を計量します。量りとった原料は、隣の「調合室」でローション製造に使われます。中島化学産業の主力商品「ペペローション」は、主に水と「ポリアクリル酸ナトリウム」でできています。どんなものかは前回の記事をご確認ください。攪拌装置は企業秘密が満載なので、見てもいいよって部分を写真で公開します。

ローション博士

この工場では3機の攪拌装置で1日に5トンのローションを作ることができるのじゃ。すんごいのう。

「ペペローション」の年間販売本数はおよそ550万本。その多くをこちらの工場で製造しています。

小田:でっかいタンクでローションがグルグル混ぜられてる! 水飴みたいです。

柳井:内側と外側のハネの回る方向が逆になっていて、よく混ざるようになっています。機械で半日ほどずっと回します。

小田:水と成分を馴染ませるのってものすごく大変なんですねえ。これは何ですか?

柳井:純水を温める装置になります。夏場と冬場で水の温度って違うじゃないですか。それを一定にするために、湯沸かしのような装置を使っています。常に一定の品質の商品を作るために必要な装置なんですよね。

ローション博士

中島化学産業さんはローションに使われる水にもこだわりがあるんじゃ。のちほど詳細を教えてくれるぞい。

ロット番号で素早く該当製品にアクセス

混ぜられたローションの装置は1階と繋がっており、1階で容器への充填包装作業がおこなわれます。降りる前に、奥にある部屋もチェックしましょう。混ぜられたローションはこの後、多くの検査を重ねる必要があります。

柳井:こちらは品質管理をする部屋です。

小田:さっきの実験室(※第1回で登場)に近いですか?

柳井:そうですね。ここでローションの中身を作るんですけども、作ったらすぐに充填(容器に内容物を詰める作業)ではなくて、まずこちらで検査をします。

小田:つまり、タンクの中身を一度汲み取って、こちらで検査をする?

柳井:そうです。主な検査項目は外観、匂いもですけども、pH(アルカリ性・酸性を示す数値)、粘度などです。

柳井:あとは、菌がいないかチェックします。

ローション博士

ちなみにここも超見せられないものが満載なのじゃ。モザイクまみれになってしまうので許可をいただけたものだけ公開するぞい。

柳井:検査記録を含めすべての記録類と製品はロット番号管理しています。

ローション博士

ロット番号があることで、製品に不具合が発生した際、対象特定や原因解明が可能となるのじゃ。

柳井:タンクから採取したローションはすべてビンに入れて保管しています。何かあったとき、例えば原料に問題があった場合、どのロット番号の製品で対象の原料が使われているのか追えるようになっております。

小田:ビンに保管……ということは、ものすごい量があるってことですか?

柳井:そうですね。倉庫にも保管しています。バルク(容器に充填する前の中身)からビンに保管で保管するものと、充填時のものも保管するんですよ。

小田:充填作業でも保管するのはなぜですか?

柳井:もし、市場で何かあったとき、原因がバルク製造時なのか充填時なのか特定させるためです。

小田:なるほど~!

柳井:製品の消費期限は3年なんですけども、当社では保管に関しては5年おこなっております。

ローション博士

なぜ3年なのか、も実は理由があるんじゃ。それは次回の記事公開をお楽しみ、とのことじゃ。ゾクゾクするのう。

小田:5年……保管場所の確保だけでも大変ですねえ。ちなみに、さっきの機械では1日何回製造作業をおこなうんですか?

柳井:基本は2回転です。結局、ほとんどが機械を回している時間なんですよね。朝から昼ぐらいまで回して、昼から夜まで回す。

小田:稼働の限界が2回ということなんですね。24時間は酷ですもんね……?

柳井:そうですね。「頑張る」って感じになりますね……(笑)。

小田:大量に必要なときは「頑張る」(笑)。1日どれぐらいローションを何本作るんですか?

柳井:全工場では1日2万から2万5,000本は作りますね。20日間稼働で1ヵ月40万から50万本です。

小田:それぐらいのペースで出さないと、需要と追いつかないってことなんですね。嬉しいことだけど、作れば作るほど検査も増えるから大変そうです。

柳井:我々にできることは「頑張る」ってことですね……(笑)。

小田:なんて頼もしい言葉(笑)!

ペペローションに込められた「水」へのこだわり

続けてやってきたのは、ローションが容器に詰められる「充填室」です。なかで働いている方の邪魔にならないよう、ステルススキルを用いて内部を調査します。

柳井:こちらが2階で見たタンクです。何が作られているかわかるよう、うしろのボードに材料やロット番号などを記載しています。さっきの部屋の品質検査に合格したものだけが充填に進むことができます。充填の機械を見る前に、水の説明をしますね。

柳井:ローションのほとんどは水だというお話をしましたよね。うちではかなり高級な水を作っています。もともと水はみなさんが飲める水道水なんですけども、活性炭やRO膜、イオン交換膜といったフィルターに通し、水に含まれる微細なゴミや菌を除去します。そうすることで、かなり純度の高い水ができるんです。

小田:「〇〇のおいしい水」みたいなものを装置でろ過させる?

柳井:はい。飲み水に入っているミネラル分って、ローションを作るうえでは邪魔になるんですよ。

小田:ミネラル分があるとどうなるんですか?

柳井:品質が落ちます。なので、水だけが必要なんですね。

小田:そこで必要なのが、こちらのスーパーろ過装置なんですね。

柳井:ちなみに、ローションをすべての撹拌装置で作る場合、一度に2.5トンの水が必要になります。実は、この装置ではたくさんの水を一気に作ることはできないんですよ。製造が間に合わないので、夜のうちに作り、外のタンクに貯めておきます。

小田:なるほど!

柳井:そこで問題なのは、カルキとかがない水って腐るんですよね。なので、作られた水はずっと循環させ、途中で殺菌をしながらタンクに戻り、また循環を24時間繰り返しているんですね。

小田:鮮度を保ち続けているんですね! 各地で見えた配管は水のものだったのかあ。

ローション博士

ローションは工業用水ではなく、みんなが飲む水道水から作られているんじゃなあ。

小田:この水の作業工程があってからの、さっきの混ぜる作業があるんですねえ。

柳井:容器を空気で洗い(エアー洗浄)、そのあと液を入れていきます。そこにキャップをして、ロボットアームでベルトコンベアに乗せていきます。

ローション博士

工場見学の真骨頂といった場所じゃのう。マーベラス!

柳井:あちらは半自動になっていまして、人間が直接中身を充填します。慣れている人はノールック状態でどんどん詰めていきますよ。

小田:巧のなせる業!

柳井:コンベアで流れてきたローションはあちらで下から製造番号を印字します。

小田:製造番号、つまり先ほどご説明があったロット番号ということですね。

柳井:そして、容器を透明のフィルムを被せ、ドライヤーの風を上下左右で当てて、フィルムを収縮させます。製品は1つずつ検品して段ボールに詰めていきます。詰めたあともきちんと記録を取っているので、追いかけられるようになっています。

小田:作業が細分化されているから、働いている方も大きな移動がなくていいですね。

ローション博士

パウチ状のローションが詰められている機械も案内してもらったぞい。こちらも企業秘密がたっぷりなので、写真だけ公開しておくとのことじゃ。ちなみに、パウチ状のローションでアナルセックスするときは2つあったほうが量的に安心じゃぞ!

箱に詰められたローションは、工場敷地内にある倉庫で保管されます。ここから製品をトラックで積み込み、全国各地に運ばれます。

小田:こちらもローションなんですか?

柳井:これはいわゆる「業務用」ですね。風俗店で使われます。これをボーイさんが裏で容器に入れるわけですね。

小田:業務用ローションってこうなってたんだ~!

ローション博士によるまとめ

ローション博士

機械でローションを半日ほど混ぜ、たくさんの検査を経てようやく容器に中身を入れることができるのじゃ。使われている水は、水道水をろ過させた純水。鮮度を保つために殺菌を徹底し、施設内をぐるぐると循環しておるのじゃな。

今回は、ローションが製造されていく過程をレポートしました。徹底した管理体制と効率化された作業の様子が伝わったのではないでしょうか。次回はローションに関するたくさんの疑問に答えていただきます。お楽しみに!

NPO法人akta と 中島化学産業株式会社 取引関係に関して

HIV Map POSTを運営する NPO法人akta では、会長を務める第38回日本エイズ学会学術集会・総会において、今回の記事で紹介している中島化学産業株式会社よりバナー広告の出稿をいただいております。
本記事は、上記広告出稿とは別の企画としてスタートし、広告出稿の前に執筆されたものです。しかしながら、記事をご覧いただく際には、上記の取引関係があることをご承知おきください。

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