減ってるけれどまだ続いてる エムポックス(サル痘)をおさらい
October 24, 2023 Modified: 2024.09.24

国境を越えて人と出会ったり、大きなイベントに参加したりできるようになってきました。2023年10月末には台北のプライドイベントも開催されます。
そんな中、あまりニュースにはなっていませんが、日本やアジアの国や地域を中心に、エムポックス(旧称:サル痘)の感染が続いています。
万一の際にあわてないように、今のうちに簡単におさらいしておきましょう。
日本国内で感染が続いている
日本の感染報告は2022年3月をピークに減っていますが、その後も途切れ途切れに続いています。
全国の感染状況は、「エムポックス(サル痘)について」(厚生労働省)で公開されています。
※1月の最初の月曜日を「第1週」として表記されています(「報告週対応表」で日付を確認できます)。

感染報告の最新データは、実際より少ないかも(後から増えることも)
グラフで最近の数週間の感染者が少なく見えても、「減った」「終わった」と判断するには早いかもしれません。
厚生労働省のグラフは、「症状が出た週」で集計されています。症状が出てもすぐに受診するとは限らないため、直近の報告数は実際より少ない可能性が高くなります。

今のエムポックスの流行は、日本を含むアジア地域が中心
エムポックスの世界的な流行は欧米から始まりました。しかし、今(2023年9月30日時点)の流行の中心は、日本を含むアジア地域です。

WHOが公開している世界の感染状況のグラフ(上記)で、2023年の8月(Aug)ごろから増えている黄緑色があらわしているのが、日本など東アジアの国や地域を含む“Western Pacific Region(太平洋の西側地域)”です。また、“South-East Asia Region(南東アジア地域)”のオレンジも増えてきています。
WHOのグラフは英語のページですが、”2.1 Epidemic curves”のグラフ(上記と同じもの)で視覚的に流行状況を確認することができます。最新の情報を確認するようにしましょう。

HIVの検査と治療がオススメ
現在流行しているエムポックスのウイルスは、感染しても重症化することの少ないタイプです。ですが、HIVに感染して治療ができていない場合など、免疫が低下している方では、入院が必要な重い症状があらわれたり、命に危険が及んだりする可能性が高くなります。
エムポックスの重症化のリスクを高めないために
まずはHIVに感染していないか検査する
HIVに感染している場合、できるだけ早くHIVの専門の医師に相談する
既にHIVの治療をしている場合、確実に続ける
ニーズにあった、あんしんなHIV検査は「あんしんHIV検査サーチ(HIVマップ)」で検索できます。



※グラフや疫学情報は2023年5月までのものを元に記載しています。

About US
HIVマップでは、厚生労働省、厚生労働科学研究班等の依頼に基づき、ゲイ・バイセクシュアル男性の性の健康にとって重要な注意喚起として、当記事を掲載いたします。
編集 : HIVマップ制作チーム
協力 : 感染症コミュニケーション円卓会議
研究班名 : 令和5年度 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業「サル痘に関するハイリスク層への啓発及び診療・感染管理指針の作成のための研究」
※感染症コミュニケーション円卓会議は、コミュニティの代表、医療・研究機関、行政が、感染症についての情報発信などについて検討、実施する任意の団体です。
参加団体・機関:akta、ぷれいす東京、MASH大阪、国立感染症研究所、国立国際医療研究センター、厚生労働省、東京都