HIVの即日検査が一時中止？再開？～HIV検査キットの生産遅延による影響について～

October 19, 2024　Modified: 2025.01.13

2024年10月時点の情報をもとに書かれた記事です。ご留意いただきお読みください。

2024年10月19日公開

国内でのHIVの即日検査キット不足により、
2024年９月頃より、一部の保健所・検査所で即日検査が一時中止となりましたが、
その後は、多くの保健所・検査所で即日検査を再開しています。
ただし、即日検査キットの不足がいったんは解消されつつあるものの、
来年の春以降にどうなるかは、いまのところわかっていません。

一方、通常検査はまったく問題なく行われていることはご存じですか？
即日検査と通常検査の違いについてもまとめました。
どこでどんなHIV検査を受けたらいいのか、
みなさんが検討するときの参考にしてください。

HIV即日検査の一時中止と再開について

HIVの即⽇検査キットの⽣産遅延によって受注停⽌や出荷制限が行われたため、⼀部の保健所・検査所でHIVの即⽇検査が一時中⽌されました。しかし、いままで通りに即日検査を続けているところもありますし、いったん中止したところでも多くはすでに再開しています。

HIVの即日検査を受ける際には、念のため実施状況をご確認ください。もしも、保健所・検査所で即日検査を受けられない場合でも、保健所・検査所での通常検査、クリニックなどでの有料検査、郵送検査なども選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

保健所・検査所における即日検査と通常検査の違い

即日検査

検査をしたその日に結果を受け取ることができる検査です。即日検査で行われるスクリーニング検査の結果が「陰性」であれば、（ウインドウ・ピリオド以前は）HIVに感染していないということが確認できます。ただし、スクリーニング検査の結果が「判定保留」「スクリーニング陽性」などの場合は、一定の割合で偽陽性があるため、確認検査が必要となります。その場合には、最終的な検査結果を受け取るまでに１週間くらいかかります。

即日検査では、イムノクロマト法という検査キットを用いて検査をするのが一般的で、これが不足している検査キットです。イムノクロマト法は、短時間で検査結果が出ることや、特殊な機械などが不要であるなどの利点があり、一部の保健所・検査所・クリニックなどで用いられています。

即日検査だと、検査したその日に感染しているかどうかを知ることができるのですか？

なるほど検査Q&A｜検査まるわかり情報局｜あんしんHIV検査サーチ

https://hiv-map.net/anshin/knowledg…

通常検査

検査をしてから約1週間後に結果を受け取ることができる検査です。採血されるのは１回ですが、その検体がスクリーニング検査と（スクリーニング陽性や判定保留の場合は）確認検査という２段階の検査を経てから結果を受け取ることになります。通常検査の結果は、すでに偽陽性の可能性を排除しているため、陽性ならばHIVに感染している、陰性ならば（ウインドウ・ピリオド以前は）HIVに感染していないという意味です。結果を聞くまでの約１週間、不安な気持ちでいる人もいると思いますが、結果が確定してから受け取ることができる検査ですので、落ち着いて結果を待ちましょう。

通常検査では、イムノクロマト法とは異なる方法でスクリーニング検査を行います。CLEIA法やCLIA法といった大きな検査機器を必要とする方法で、採血した血液を検査機器のある施設に送って検査を行うのが一般的で、ある程度の日数がかかります。一部の保健所・検査所・クリニックなどで用いられており、現在も従来通りに検査が実施されています。