エピソードは、個人の体験談です。
このエピソードには性感染症に関して重篤な症状になった体験談が含まれます。
梅毒感染エピソード②「梅毒って症状いろいろなんですね…」(アラフォー・男性) 篇
August 1, 2023 Modified: 2024.09.24
- 書いたひと
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善福寺川プラム ※仮名 さん
アラフォー・男性
コロナ前の夏、8月頃かな?なんかしばらく体調が悪くて、熱があるわけではないんだけれども、なんというかだるさがずっと続く感じ。肝臓のトラブルか?と思って肝炎の検査受けたり各種肝臓数値を見てもらったりしたんだけど、特に該当する病気はなく。あわせてなんとなく扁桃腺が腫れてきた感じもあって、なんか夏風邪?夏バテかなー。重めでやだなー。って思っていたある日。シャワーを浴びて鏡を見ると胸元から首辺りから手にかけて、赤いポツポツができてるじゃないすか!それほど痛かったり痒かったりそれほどするわけではなく、なんだこれ?って思って。体調が悪いのがとうとう体表面にも出たのか?会社で突っ込まれるのやだなー。。。なんかアレルギー?とビビってとりあえず近くの皮膚科に行ったんですよ。
処置室でボツボツをさらっと確認されて、
医者:「どこかキャンプとか行った?」
僕:(夏だから?)いや・・・屋外プールなら?いったかな?
医者:「木とかあるとこ?」
僕:あーまあ木はあったかもです。(元町プール)
医者:「じゃあ毛虫だね。気づかず毛虫に触れちゃうことあるから。かぶれたんだよ」
僕:はあ・・・
この状態、毛虫かぶれではないんじゃないかなーと思ったんだけど、とりあえずもらった薬を塗ってみた。1週間くらいたっても治らないので、これは確実に毛虫ではないなと。
で、ふと、そういえばこれあれじゃない?バラ疹?じゃない?!梅毒で手とかに赤い痒くない発疹?が出るって聞いたことある。なんか梅毒増えてるってニュースなかったか?!って気づいて、ネットで確認してみると可能性は否定できない感じ。すぐに性病も診てくれる別の病院を探して行ってみました。
二人目の医者に手とお腹がわのぼつぼつを見せて、これはあれすかね梅毒ですかね?と申告&確認。あーもしかしたら可能性はあるから検査してみよう、という話になって検査。結果はすぐ出て案の定陽性。
そういえば・・・ちょっとまえに肛門周りあたりに謎のしこりがあるなーって思ってて痔か?って気になってたことも思い出し、あれは「梅毒第一期」の症状っぽいなと。そもそもなんとなく体調が悪かったのも調べてみると「梅毒第二期」に該当する症状があるっぽいということもわかった。
原因がわからない体調不良 それ自体がずっと不安だったので、原因がわかってある意味安心。なーんだぁ梅毒かー。よかったー。薬であっさり治るんでしょ?大沢たかおのやつ!「その薬は、ペニシリンといいます!」
って、のんきに思ってたのはここまで。
医者から続く詳細を聞いて、どうやらそんなに簡単ではないのかな?と微妙に風向きが変わる。
- 自分は梅毒の第二期に当たる状態まで進行しているから薬は8週間ぐらいと長めに飲む必要があり、途中でやめるのはもちろんNG。
- 薬の飲み始めに「薬のアレルギー」が出ることがある。症状としてはガッツリ呼吸困難とかの場合もある。万が一そうなったら救急車呼んでね遠慮せず。
- 同じく薬の飲み始めに発熱などのひどめの風邪っぽい症状が出る可能性があるから、それにも注意
とのこと。
お、おうそうか。なるほど。まーでもそんな薬飲むだけでひどいことにはならんでしょ。薬は薬なんだし。と、タカをくくって帰って夕方からもらったその薬を飲み始めたところ・・・
ガッツリ夜から発熱。これは「③飲み始めに出る発熱などのひどめの風邪っぽい症状」なのかなって・・・熱も9度近くまで上がってたかな?
発熱に加えて前からあった「扁桃炎っぽく喉の調子が悪い」も悪化。夜が深まるとともに急速に喉が腫れてる感じが進行。気道がふさがれて若干呼吸困難の状態に。
なんだろう・・・これはあれか・・・?ベタな戦隊ものとか少年漫画でありがちな、悪役がやっつけられる前の悪あがきか?
「ぐ・・・タダではやられんぞ!お前も道連れにしてやる・・・!」ってなってるやつか?
梅毒の病原体「梅毒トレポネーマ」?菌?が抗生物質で退治されかけての断末魔なのか・・・?
みたいなくだらないことを考えている中、そこからもどんどん呼吸がしづらくなってきて、
え?これは③ではなくひょっとして②?「アレルギーで呼吸困難」になりかけてる?ってレベルで息苦しくなってきた。
これは・・・救急車を・・・呼ぶべき・・・なのか・・・?しかし・・・そんなオオゴトにして迷惑をかけるのも・・・近くに住んでる大家さんにもバレそうだし・・・あとで「こないだ救急車来てなかった?なんだったの?」とか聞かれたとして、「梅毒の薬で死にかけましてね」(テヘペロ)とか言いづらい・・・
などと考えている合間に寝落ちしては息が苦しくて目が覚めるなどということを繰り返し、仕舞いにはこのままだとガチで寝落ちして、そのままリアルワールドに帰ってこれなくなるのでは・・・と思っていたぐらいでなんとか無事に朝を迎えることが出来ました。(完全な結果オーライ)
一人暮らしだし無理せずせめて#7119に相談ぐらいはすればよかったのかも。
(その後にコロナにも感染したんですが、自分はコロナよりこの「梅毒の薬飲み始めの症状」の方が全然苦しかった)
というわけで自分として教訓は以下。
- 梅毒は自己診断できない
不安があれば専門の病院へ行ったほうが安心できそう。自分は倦怠感も含めてひと夏潰れたので早めのチェック・定期的なチェックが大事かなって。貴重な夏のアクティビティが楽しめなかった。 - しんどい梅毒もある
発熱とか倦怠感とかのような普通に生活に影響が出る症状もあって、バラ疹が出るだけの病気ではないみたい。まあそりゃそうですわな。江戸時代は人がなくなる病気だったわけだし。 - やばいかな?と思ったら#7119
自分は結果オーライで生還できたけども、一人暮らしで呼吸困難で帰らぬ人に。。。みたいなのは全然起こり得たかも。救急車を呼ぶほうが意識を失うよりは人に迷惑をかけなそうなのでとりあえず#7119
HIVマップ制作チームからのコメント
梅毒は、症状が多彩なのが特徴で、すぐに診断がつかない場合もあります。性感染症クリニックや皮膚科で、感染リスクがあったことを自分から伝えて梅毒の検査をしてもらうとよいでしょう。
できれば、①性感染について正直に話せるかかりつけ医を普段から持っておく、②HIVや梅毒などの性感染症の検査を定期的に受ける習慣をつけおくとよいです。
現在、日本では梅毒が大流行しています。いま症状がないひとも検査を受けておくことをお勧めします。