アナルセックスとフェラチオってどこまでがセーファー?
November 18, 2021

一口にセックスと言ってもさまざまな性行為があるように、性病(性感染症)の感染を防ぐ「セーファーセックス」にもいろんな方法があります。
今回は「フェラチオ」と「アナルセックス」に関するHIV感染を具体的に取り上げ、セーファーセックスについて考えます。
※当記事は2021年10月に執筆されたものです。
医療技術の発展に伴い、HIVの治療法・予防法は日々進歩し続けています。
今後は「PrEP」や「U=U」についても取り上げていきます。
フェラチオ
フェラチオだけしかしていないのに、HIVに感染したケースは存在します。
Q1.
- 口のなかで射精されても
精液を飲み込まないなら大丈夫? - 飲み込まなくても
HIVに感染する可能性はあります
精液がHIV感染者のものだった場合、飲み込まなくてもHIVに感染する可能性があります。HIVウイルスは、口内の粘膜を通過して体内に入ることができるからです。
ただし、相手の血液中のHIVウイルス量が検出限界値未満の場合、感染はしません。
一方で、フェラチオをする側が他の性病(性感染症)に感染していたり、口のなかに傷やできものなどがある場合には感染のリスクが高まります。
Q2.
- 口のなかで射精されても
うがいをすれば大丈夫? - 完全な予防にはなりませんが
うがいは早めにおこないましょう
体内に入るHIVウイルスの量が多いと、HIVに感染する可能性は上がります。
感染リスクを抑えるために、できるだけ早く口から精液を出しましょう。
また、うがい薬は使い過ぎると口のなかを荒らしてしまうことがあります。
適切な使用を心がけてください。
Q3.
- 口のなかで
射精されなければ大丈夫? - HIVに感染する可能性が
まったくないわけではありません
精液よりもリスクは少ないですが、先走り液からHIVに感染するケースは起こりえます。
また、射精をしていなくても少量の精液が出ている場合もあります。
フェラチオをしたあとは早めにうがいをしましょう。
Q4.
- フェラチオのときも
コンドームは必要? - コンドームを使ったフェラチオは
性病(性感染症)やHIVに感染する
リスクを下げます
アナルセックス
肛門のなかにある直腸の粘膜はとても薄く、挿入後の摩擦で簡単に傷がつきます。
そのため、アナルセックスは性病(性感染症)やHIVに感染するリスクが高い性行為です。
コンドームの使用やPrEPの服用などで感染の予防に努めましょう。
Q5.
- タチ(アナルに入れる側)は
コンドームを使わなくても
HIVに感染しない? - コンドームを使わなければ
タチでも感染する可能性があります。
直腸の粘膜はとても傷つきやすく、目視できない出血をしていることも多いです。
また、腸から出る粘液にもHIVウイルスが含まれている場合もあります。
HIVウイルスは、タチの尿道口や包皮の内側を経由して体内に入ることができます。
コンドームの使用やPrEPの服用は、タチ・ウケどちらにとっても重要な行動です。
Q6.
- ウケ(アナルに入れられる側)をしたときに中出しをされたらどうすればいい?
- 自然に精液が出てくるのを
待ちましょう
HIV感染の可能性が特に高い行為は、タチによる中出し(種付け)です。
体内に取り込まれるHIVウイルスを減らし、感染のリスクを少しでもさげるため、まずは外から肛門部分をやさしく水で洗い流しましょう。
そのあとは、しゃがんで自然に精液が出てくるのを待ちます。
無理に肛門の内側を洗うと、かえって腸の粘膜を傷つけたり、精液をさらに奥にやってしまうことがあります。
Q7.
- 中出しされなければ、
ウケはHIVに感染しない? - 中出しされなくても、
感染の可能性はあります。
タチの先走り液にもHIVウイルスが含まれている可能性がありますし、射精をしなくても精液が漏れ出ていることがあります。
タチがHIVに感染していて、血液中のウイルス量が検出限界値を超えている場合、感染する可能性はあります。
Q8.
- コンドームは
どのタイミングでつけるのがベスト? - コンドームを使用する際は、
途中や射精の直前ではなく最初に
装着しましょう。
【注意】今回の記事は
・相手や自分がHIVに感染しているかどうか
・適切なHIV治療を受けているかどうか
・PrEPを服用しているかどうか
といった状況がわからないことを前提に書かれたものです。
原案・文責:HIVマップ制作チーム
テキスト:池内